言葉だけじゃたりない?!

日本語教師わかばの綴る日常のあれこれ。映画や本について書くことが多いです。たまに旅行記やアウトドアも。

第9回あきらめ会無事終了!読めば読むほど不思議な魅力を放つ宮沢賢治

この「あきらめ会」という不思議な名前の読書会

もう名前を「やまなし会」とか「山猫軒」とか

「ポラーノの広場」にしちゃったほうがいいのでは?

という気になった第9回でした。

 

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こんばんは。

わかばです。

 

さて、今回も以下の本からまだ読んでいないところを

読むことに。

 というわけでオープニングの「双子の星」と、

「黄色のトマト」を読みました。

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

 

双子の星について

二部構成のかわいらしい童話です。

お空のお宮で育ったピュアな、

チュンセ童子とポンセ童子。

第一部では、蠍と大烏のケンカに遭遇。

蠍はいけ好かない奴だったけれど、

傷ついた蠍を家まで送ってあげる二人。

蠍は二人の優しさにふれ、

今まで自分はやなやつだったと反省します。

 

第2部では彗星に騙された二人が

海の底へ落とされてしまいます。

そこでヒトデたちにいじめられますが、

うみへびが現れて、

「この方たちはやんごとなきお方じゃ」

と一喝。

トトロの猫バスさながらに竜巻を呼び、

お空のお宮へと返してあげます。

 

……というまあハッピーエンドなお話であり、

天文学の知識を総動員されたと思われる

教養溢れる童話であり、

星座を使って空の様子を描くだけでなく、

また海の様子をも描くという

ファンタジックで芸術性の高い文学である。

 

「賢治すごいなあ」というのが、

その率直な感想でした。

 

もちろん、チュンセ童子とポンセ童子は

宮沢賢治とその妹トシの転位で、

ふたりがどんなに深い絆で結ばれていたかがわかります。

 

実は昨日、読んだ「黄色いトマト」も

幼い兄弟がモチーフだったんですよね。

 

それで、読んだ内容についてみんなで話し合ったとき、

ふと、手紙四という文章の存在を知ることになりました。

 

早速、スマホで検索すると、

青空文庫に手紙四の存在がありました。

 

www.aozora.gr.jp

この手紙は一から四まであり、

続き物ではありません。

ただ、書いている設定は宮沢賢治なのでしょうが、

正確なところはわかりません。

この「手紙四」はある人から言われてかいているのだ

というはじまりです。

 

そこで語られるのは、ポンセの最期です。

しかも、ここではポンセ童子ではなくなっていて、

設定がちょっと変わっています。

 

ポンセの最期は、つまりトシの最期で、

もう天に召されそうなポンセに

「雨雪とってきてやろうか?」とか言うのです。

そう、これはまさに「永訣の朝」なのです。

 

チュンセはトシを亡くして、心が折れて、

カエルを殺したりしてしまいます。

 

そして、ポンセを思い続けますが、

手紙を言いつけた人の言葉を借りてこんなふうに

表現しています。

 

チュンセはポーセをたずねることはむだだ。なぜならどんなこどもでも、また、はたけではたらいているひとでも、汽車の中で苹果りんごをたべているひとでも、また歌う鳥や歌わない鳥、青や黒やのあらゆる魚、あらゆるけものも、あらゆる虫も、みんな、みんな、むかしからのおたがいのきょうだいなのだから。チュンセがもしもポーセをほんとうにかあいそうにおもうなら大きな勇気ゆうきを出してすべてのいきもののほんとうの幸福こうふくをさがさなければいけない。それはナムサダルマプフンダリカサスートラというものである。

 

ここでも出てきますね。

ほんとうの幸福……

 

父親との確執、

親友とのケンカ別れ、

最愛の妹、トシとの死別、

様々なものを経て、賢治がみつけた、

いきものすべてのほんとうの幸せとは何なのか?

 

その答えの欠片が詩「雨ニモマケズ」にあるような

気がするね……と話して、第9回はお開きとなりました。

 

次回は3月1日です!

 

 

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